学生の取材NOTE
急須でお茶、飲んだことありますか?
もしかしてそもそも読めない……?
急須(きゅうす)はお茶を飲むための道具です。さすがに見たことはありますよね。
お湯を沸かして、茶葉を入れた急須に注いで、お茶の味をゆっくり楽しむ。それが日本人がずっと楽しんできたお茶の文化です。
時代が変わっていく中で、それでもお茶の文化を守り続けている、上野のお茶の専門店「君野園」さんに、上野倶楽部学生メンバーで取材してきました。
私たちはお茶の美味しさを、まだ全然知らないのかもしれません!
「茶の君野園」さんは、戦前からのお茶の専門店です。
始まりは大正時代まで遡るという超老舗。一度戦災でお店が焼けてしまった後、上野に移動してきました。上野に来てからだけでも、今年でなんと75年目。ものすごい歴史を越えてきています。
しかし今、これまでにない苦闘を強いられているそうです。
ペットボトルでお茶を飲むのが当たり前になって、家で使うのもお茶パックだったりすると、急須を使ってゆっくりお茶を飲む機会が減っている。若い世代では、急須で飲んだことがない人もいる。
そこにやってきたのが、コロナ感染症です。
これまで売上の半分を支えていたのは、実は上野に来る外国人観光客でした。日本に来たお土産として持ち帰り、楽しんでくれていた茶の文化を、渡すことができなくなってしまいました。
さらに、感染対策が叫ばれる中、本物のお茶の楽しみを、お店で体験してもらうことすら難しくなりました。
それでも、君野園さんは諦めていません。本当の魅力が伝われば、お茶の文化が無くなることはない。それは、自分で急須から注ぐお茶こそ、何よりも美味しいということ。それだけお茶の魅力を信じているのです。
オススメの一品として紹介いただいたのは、オリジナルのお茶「とろり茶」です。
関東の人の好みに合わせた濃いめのお茶で、しかも忙しい人のために短時間で入れられるように工夫されています。
こだわりの入れ方も実演していただき、深みがあるのに苦くなく柔らかい味を堪能させていただきました。
店内は、お茶を知り尽くした君野園さんならではの商品がズラリと並びます。
日本各地の食文化や、お客さんそれぞれの好みに合わせて、何百種類の茶葉から選んだ、一流のお茶を提案してくれます。
さらに、奥にはなんとエスカレーターがあります。
2階にずらりと並ぶのは、たくさんの茶器。
お茶の文化がいかに深いか、そして君野園さんがお茶をいかに知り尽くしているか、圧倒される取材になりました。
「若い世代にもっとお茶の魅力を知って欲しい」という君野園さん。もっと美味しく飲むための秘訣をさらに教えていただけるとのこと!
皆さんも是非、「茶の君野園」で、知られざる日本文化の深みを覗いてみませんか?