学生の取材NOTE
上野駅から徒歩約3分、“うえちゅん”の愛称で親しまれている上野中通商店街。
本日は、うえちゅんを中心としたゐの市加盟店にお邪魔しました。
「ゐの市」とは、上野中通商店街を盛り上げるためのイベント名です!
この呼び方は、徳大寺にある守護神の摩利支天(まりしてん)の御縁日が十二支の「亥の日」であることに由来しています。
商店街の店舗の間にドンと大きなお寺があります。
階段を登ると、厳かな本殿が見えてきて、お寺ならではの煙の匂いも感じられます。
おみくじの種類も豊富です。“半吉”という他ではあまり見かけないおみくじの結果も出るかも!?
レアなので半吉が出た人は逆にラッキーかもしれません!行ったときに引いてみてください!
また、ここには「力の亥」という、触ると御利益をもらえるイノシシの像があります。
力強いイノシシに触るとパワーを分けてもらったような、まるで心が入れ替わったような気持ちになりました。
様々なジャンルの店舗が立ち並ぶ商店街のお買い物ついでに、徳大寺へパワーをもらいに行ってみてはいかがでしょうか?
お次は「摩利支天」のすぐ向かいにあるガシャポン横丁。
この店舗はガチャガチャが好きな方にはぜひぜひ訪れて欲しい場所です!
なんと、3階建ての店舗の全ての階がガチャガチャで埋まっているんです。
ガチャガチャの種類も豊富だったので、摩利支天でお参りをしたあとの運試しとして、向かいのガチャガチャを回してみては??
次に向かったのは摩利支天からアメ横方向に10m進んだお菓子屋さん「二木の菓子」。
この店舗には、上野ならではの独特のおせんべいや和菓子、普通のスーパーで売っているような主要なお菓子まで幅広い種類のお菓子がたくさんありました。
中には今では少なくなってきてしまった昔ながらの駄菓子屋さんでよく売られていたような懐かしいお菓子もありました!
取材した日は曇りでかなり寒い日だったので、お昼ご飯を食べる前にJR上野駅から少し奥の方にある足湯カフェにお邪魔しました。
店舗名は、「足湯カフェ もみの湯 上野店」
外観が少し古風で入口の暖簾(のれん)からも落ち着いた雰囲気が感じられます。通常コースは足湯カフェコースとして45分間、ちょうどいい温度のお湯に足を浸からせます。
その間は3種類あるドリンクから1種類選び、チョイスした飲み物と一緒にリラックスできます。
「のどを潤す茶」、「温々(うぇんうぇん)茶」、「最高級セイロンティー」の3種類がありました。
それぞれ違った味と効果で、私はかなり悩みました…。
追加で頼めばその他にもドリンクはたくさんあり、湯もみマッサージもしてくれるコースもありました。
取材した際は、Instagramに指定の # (ハッシュタグ)をつけて投稿として紹介すると5分間マッサージをしてくれるというサービスをお願いしました。こちらはかなりお得です!
心も身体も癒されるのでぜひ行ってみてください。
いよいよお昼ご飯です。「熙楽苑 上野店」にお邪魔しました。
こちらは焼肉屋さんです。お店は2階建てで個人で行っても5、6人で行っても、テーブルがそれぞれ異なるので楽しめると思います。
黒毛和牛を売りにしているお店で、メニューには黒毛和牛メニューがたくさんありました。私たちはランチメニューとして、定食を頼みました。お肉の種類も豊富で、量も多すぎず少なすぎず女性1人で行っても十分お腹が満たされます。
お肉の他に、ご飯、白湯わかめスープ、キムチ、ナムル、サラダが付いています。
お肉だけだと重いと感じる方も、サブメニューがこれだけあれば満足すると思います!
最後に上野駅から“うえちゅん”に入るすぐ手前にあるお茶屋さん
「君野園」にお邪魔しました。
こちらのお茶屋さんはお茶はもちろんのことお茶のお菓子や急須(きゅうす)などの道具も種類豊富です。
焼肉のあと、お口直しとしておすすめしたいのがここのお店のソフトクリームです!普通のソフトクリーム、抹茶ソフトクリーム、ミルクと抹茶のミックスソフトクリームの3種類がありました。
コーンとカップも選べます。ぜひここの抹茶ソフトクリームを食べてみてください!お茶屋さんならではの濃厚な味でその甘さにも優しさを感じます。
ぜひ寄ってみてはいかがでしょうか?
皆さんは瓦せんべいを食べたことありますか?
瓦せんべいは、瓦に見立てて作られた日本の焼き菓子です。上野中通り商店街の一角に店を構える亀井堂さんは、その瓦せんべいを130年以上にわたって作り続けています。
亀井堂さんは、上野中通り商店街のメイン道路から1つ側道に入り、中央通りに面したところに店を構えています。店前の道路は、毎日たくさんの通行人の行き来があります。
商品は、大きく瓦せんべいと人形焼きの二種類です。この二種類を創業以来ずっと作り続けています。
亀井堂さんの歴史は、130年以上前の神戸から始まります。神戸の生田神社の境内で露店として出店していたのが、スタートでした。
そのときに、亀の井という井戸の脇で店を開いていたので、亀井堂という名前になりました。
その後、明治23年上野公園で開催された第三回内国勧業博覧会への出展を経て、上野広小路に、亀井堂東京店を開設しました。
その後義理の弟である倉木忠吉(くらきただよし)さんが事業を承継し、関東大震災、東京大空襲の苦難を地域の常連さんの力を借りつつ乗り越え、今では東京銘菓の一つとして広く知られるようになりました。
現在、上野のお店では、2人の職人によって作られています。生地を作り、瓦の形に焼き上げ、最後に、徳川家菩提寺「寛永寺」の門前町に因み「葵」のご紋を焼印し、完成です。
今でもこの焼き印は、職人さんの手によって、1つ1つ手作業で押されています。
焼き印には、いくつか種類があり、パンダの焼き印やオリジナルの焼き印のかわらせんべいの製作もしています。1つ頂いてみると、ほどよい甘さでとても美味しかったです。
そんな伝統ある亀井堂さんにも、コロナの影響は大きく降りかかりました。一度目の緊急事態宣言の時には、上野の歩道に人が全く歩いていないくらい閑散としていました。こんな光景は、ずっと同じ場所で店を開いているが見たことがなかったそうです。
また、亀井堂さんは、神社やお寺に依頼された特注の煎餅を作っていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、お祭り自体も相次いで中止になり、注文が減ってしまったそうです。
今ではそれなりに回復しましたが、それでもコロナ前の7割程度と厳しい状況が続いているそうです。
亀井堂さんは、2人の職人さんが手作りをしているので、大量の生産ができず、通販で販売することは難しいそうです。
亀井堂さんは、「実際にお店に来て欲しい。ウィンドウショッピングでも構わないから、とりあえず店に足を運んで欲しい。」と仰っていました。現在のお客さんは主に中高年の方ですが、若い方でも気軽に足を運んでほしいとのことです。
また、お店としても、若い人に向けて積極的に情報発信をしていきたいとおっしゃっていました。
この機会に、ぜひ皆さんも一度亀井堂さんに足を運び、瓦せんべいを食べてみませんか?
一番大事な勝負の時、あなたは何にお祈りをしていますか?
心に決めた祈り先がないなら、あらゆる災害や戦災を乗り越えて今も上野に鎮座する最後のお寺、摩利支天徳大寺をオススメさせてください!
にぎやかなアメ横を、時を越えて守り続けてきた徳大寺。
その歴史と、今なお商店街を支える思いに迫ります。
摩利支天徳大寺が上野で建てられたのは、江戸時代初期の寛永年間(1624年-1645年)とのこと。その歴史は実に400年近くになります。
そこからずっとあり続けていることが、いかに凄いことか、少し振り返ってみましょう。
もともと江戸時代の終わりに、台東区の上野にはお寺7か所と神社1か所がありました。
しかし、これまでの様々な災いがやってきました。
まさに戦場になったのが、幕末の戊辰戦争。
そして東京の大部分が消失した、関東大震災。
さらに、太平洋戦争の中で東京を襲った大空襲。
今日まで残ったお寺・神社は、徳大寺のみなのです。
特に、祀られている摩利支天像は、聖徳太子が彫ったと言われています。
お寺の本堂が二度焼失していながら、摩利支天像は燃えずに残り、お寺も危機を乗り越えて、今まで続いています。
その御利益は、「災いから先回りして取り除き、勝利の開運・必勝の方向へ導くこと」。
これ以上の説得力があるでしょうか?
にぎやかな上野の商店街と共に在り続けてきたのも、徳大寺の特徴です。
明治時代からは特に、毎月亥の日に「ゐの市」として多くの露店が並び、大変な賑わいを見せてきました。
今もアメ横の真ん中で見守る、上野の活気をずっと支えてきた立役者なのです。
そして今、コロナ禍で大きな影響を受けている上野の商店街。
上野のパワーを取り戻すために立ち上がったのが、「上野ゐの市」です。戦前まで催されていたゐの市から、実に75年ぶりの復活です。
上野を守り続けてきた摩利支天徳大寺の力で、きっとにぎわいが戻るはず。
そのご利益の力を、皆さんもぜひ受け取りに来てください!もちろん何かに悩みを抱えている方は参拝に、お寺の方とお話がしたい!という方もぜひ気軽に摩利支天徳大寺を訪れてみてください!
日本人が愛して止まない肉料理と言えば、すき焼きとしゃぶしゃぶですよね。
50年前の創業から今まで、上野でごちそうを作り、笑顔を咲かし続けてきたのが、「鉢の木」さんです。
料理にこだわるだけでなく、お店の外装内装から、とっておきのお肉を囲むにぴったりなお店を、上野倶楽部学生メンバーで取材してきました。
そのおもてなしの思いを知れば、きっとあなたも食べに行きたくなります!
鉢の木さんが提供してくれるのは、「今日は特別!」というごちそうです。
美味しいものが溢れている世の中ですが、ファストフードの手軽で素早い美味しさとは全く別。
ゆっくり時間をかけて、誰かと一緒に食べるからこそ特別になる。それが50年前から上野で作り続けてきた、鍋の肉料理です。
自分の好きなタイミングで、好きな火加減で味わうすき焼きとしゃぶしゃぶ。
信頼できる長い付き合いのお肉屋さんから仕入れているからこそ、安心してアレンジしてもらえます。もちろんお肉の味もこだわり抜いて提供しています。
合わせて鉢の木さんがこだわってきたのが、食べる空間づくりです。
二方向から入れる入り口は、構造から和風に統一されています。木の温かみのある内装に、ゆったりくつろげる掘りごたつ。3階には純和風の完全個室を完備しています。
他人を気にせず、身内だけでゆっくりできる空間があってこそ、安心して存分に味わうことができる。
つい急いで食べてしまう日常の食事とは一線を画した、「特別なごちそうのための空間づくり」が徹底されたお店です。
学生にはちょっと敷居が高いかなと思ったのですが、ランチは900円からととっても良心的。
実際に食べさせていただきました。
柔らかいお肉は、口に入れた瞬間、自然と笑顔になってしまう満足感。オリジナルのピリ辛のゴマだれも最高でした。
お店の名前は、能楽の演目「はちのき」から来ています。
おもてなしの心 大事にしていた木を燃やすことで新しい世界が開かれる
徹底されたおもてなしの心があるからこその満足感。これこそが日本のごちそうだ、と感じました。
忙しい日常から少し離れて、自分をねぎらいたいときに、ぜひとも足を運んでみてください!
急須でお茶、飲んだことありますか?
もしかしてそもそも読めない……?
急須(きゅうす)はお茶を飲むための道具です。さすがに見たことはありますよね。
お湯を沸かして、茶葉を入れた急須に注いで、お茶の味をゆっくり楽しむ。それが日本人がずっと楽しんできたお茶の文化です。
時代が変わっていく中で、それでもお茶の文化を守り続けている、上野のお茶の専門店「君野園」さんに、上野倶楽部学生メンバーで取材してきました。
私たちはお茶の美味しさを、まだ全然知らないのかもしれません!
「茶の君野園」さんは、戦前からのお茶の専門店です。
始まりは大正時代まで遡るという超老舗。一度戦災でお店が焼けてしまった後、上野に移動してきました。上野に来てからだけでも、今年でなんと75年目。ものすごい歴史を越えてきています。
しかし今、これまでにない苦闘を強いられているそうです。
ペットボトルでお茶を飲むのが当たり前になって、家で使うのもお茶パックだったりすると、急須を使ってゆっくりお茶を飲む機会が減っている。若い世代では、急須で飲んだことがない人もいる。
そこにやってきたのが、コロナ感染症です。
これまで売上の半分を支えていたのは、実は上野に来る外国人観光客でした。日本に来たお土産として持ち帰り、楽しんでくれていた茶の文化を、渡すことができなくなってしまいました。
さらに、感染対策が叫ばれる中、本物のお茶の楽しみを、お店で体験してもらうことすら難しくなりました。
それでも、君野園さんは諦めていません。本当の魅力が伝われば、お茶の文化が無くなることはない。それは、自分で急須から注ぐお茶こそ、何よりも美味しいということ。それだけお茶の魅力を信じているのです。
オススメの一品として紹介いただいたのは、オリジナルのお茶「とろり茶」です。
関東の人の好みに合わせた濃いめのお茶で、しかも忙しい人のために短時間で入れられるように工夫されています。
こだわりの入れ方も実演していただき、深みがあるのに苦くなく柔らかい味を堪能させていただきました。
店内は、お茶を知り尽くした君野園さんならではの商品がズラリと並びます。
日本各地の食文化や、お客さんそれぞれの好みに合わせて、何百種類の茶葉から選んだ、一流のお茶を提案してくれます。
さらに、奥にはなんとエスカレーターがあります。
2階にずらりと並ぶのは、たくさんの茶器。
お茶の文化がいかに深いか、そして君野園さんがお茶をいかに知り尽くしているか、圧倒される取材になりました。
「若い世代にもっとお茶の魅力を知って欲しい」という君野園さん。もっと美味しく飲むための秘訣をさらに教えていただけるとのこと!
皆さんも是非、「茶の君野園」で、知られざる日本文化の深みを覗いてみませんか?