上野倶楽部

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学生の取材NOTE

【東京の定番お土産】~130年以上上野で守られ続けるお菓子の秘密に迫る~

皆さんは瓦せんべいを食べたことありますか?
瓦せんべいは、瓦に見立てて作られた日本の焼き菓子です。上野中通り商店街の一角に店を構える亀井堂さんは、その瓦せんべいを130年以上にわたって作り続けています。

亀井堂さんは、上野中通り商店街のメイン道路から1つ側道に入り、中央通りに面したところに店を構えています。店前の道路は、毎日たくさんの通行人の行き来があります。
商品は、大きく瓦せんべいと人形焼きの二種類です。この二種類を創業以来ずっと作り続けています。

亀井堂さんの歴史は、130年以上前の神戸から始まります。神戸の生田神社の境内で露店として出店していたのが、スタートでした。
そのときに、亀の井という井戸の脇で店を開いていたので、亀井堂という名前になりました。

その後、明治23年上野公園で開催された第三回内国勧業博覧会への出展を経て、上野広小路に、亀井堂東京店を開設しました。
その後義理の弟である倉木忠吉(くらきただよし)さんが事業を承継し、関東大震災、東京大空襲の苦難を地域の常連さんの力を借りつつ乗り越え、今では東京銘菓の一つとして広く知られるようになりました。

現在、上野のお店では、2人の職人によって作られています。生地を作り、瓦の形に焼き上げ、最後に、徳川家菩提寺「寛永寺」の門前町に因み「葵」のご紋を焼印し、完成です。
今でもこの焼き印は、職人さんの手によって、1つ1つ手作業で押されています。
焼き印には、いくつか種類があり、パンダの焼き印やオリジナルの焼き印のかわらせんべいの製作もしています。1つ頂いてみると、ほどよい甘さでとても美味しかったです。

そんな伝統ある亀井堂さんにも、コロナの影響は大きく降りかかりました。一度目の緊急事態宣言の時には、上野の歩道に人が全く歩いていないくらい閑散としていました。こんな光景は、ずっと同じ場所で店を開いているが見たことがなかったそうです。
また、亀井堂さんは、神社やお寺に依頼された特注の煎餅を作っていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、お祭り自体も相次いで中止になり、注文が減ってしまったそうです。

今ではそれなりに回復しましたが、それでもコロナ前の7割程度と厳しい状況が続いているそうです。
亀井堂さんは、2人の職人さんが手作りをしているので、大量の生産ができず、通販で販売することは難しいそうです。

亀井堂さんは、「実際にお店に来て欲しい。ウィンドウショッピングでも構わないから、とりあえず店に足を運んで欲しい。」と仰っていました。現在のお客さんは主に中高年の方ですが、若い方でも気軽に足を運んでほしいとのことです。
また、お店としても、若い人に向けて積極的に情報発信をしていきたいとおっしゃっていました。

この機会に、ぜひ皆さんも一度亀井堂さんに足を運び、瓦せんべいを食べてみませんか?

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